【最新ニュース】ピンクイグアナ再調査
2009年06月16日
1ヶ月ほど前(5月15日)のガラパゴス国立公園からのプレ
スリリースです。
今年1月、ガラパゴス・イサベラ島のウォルフ火山(1660m)
で確認されたリクイグアナの新種「ピンクイグアナ」。
このほど、このピンクイグアナの再調査が行われ、101頭が
発見されました。PNGと、ローマ・トル-ベルガータ大学の
研究者らのチームが、5月17日夜、ウォルフ火山への再調査から戻り、
報告しました。
調査では、ピンクイグアナのオス55頭、メス46頭、計101頭の成体から
血液サンプルを採取し、マーク(標識)を付けたということです。
巣は発見されなかったものの、孵化したてのイグアナや、繁殖期のイグアナも
見られたそうです。
生息範囲も判明し、これが既知のリクイグアナ(黄色)とほぼ重なって
いることも分かりました。ウォルフ火山の両隣の火山(エクアドル火山
(610m)・ダーウィン火山(1330m))ではピンクイグアナは発見されていません。
プロジェクト責任者のPNGワシントン・タピア氏は
「101頭のピンクイグアナが発見されたということは、恐れていたほどは
絶滅の可能性は大きくないということです。これで我々は、血液サンプルや、
保全活動が必要かどうかを決定するためのデータを分析する時間ができました。」
と話しています。
チームでは生息域内のおよそ30種の植物も採取し、ピンクイグアナの食物に
ついても調査することにしています。同じく採取されたイグアナの糞と植物
とを分子レベルで比較して、何を食べているかを分析するということです。
チームは今後も、今回得られたデータやサンプルを精細に調査し、
この新種イグアナの生態について明らかにしていくとしています。
ピンクイグアナはウォルフ火山で1986年に最初に観察され、当初は
既知のリクイグアナに異常な斑点のある個体だと思われていましたが、
遺伝子分析の結果、今年1月、新種と確認、発表されました。
遺伝子分析では、リクイグアナの中でも最も原始的な種との結果が出て
おり、ガラパゴスの他のリクイグアナとは、およそ570万年前に
分かれたと推定されています。これは、イサベラ島が海底火山の噴火に
より成立したとされるおよそ70万年前よりも古く、どこでどのように
進化しウォルフ火山にやって来たのか、なぜウォルフ火山のみに生息
しているのかなど、研究者らも「謎ばかり」としています。
要訳・付加情報:[事務局TO]
Posted by ジョージ・フィンチ at 07:25│Comments(0)
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