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【最新ニュース】ジョージ、死す

2012年06月25日

ガラパゴス国立公園は、今朝、ガラパゴスゾウガメ・ピンタ島亜種最後の生き残りとして飼育されていた「ロンサム・ジョージ」が死んだ、と発表しました。飼育場の中で動かなくなっているのを、飼育員が見つけたということです。

ガラパゴス国立公園プレスリリース
http://www.galapagospark.org/boletin.php?noticia=628

ジョージは1971年12月、既にゾウガメは絶滅してしまったと思われていたピンタ島で発見され、1972年1月にサンタクルス島に移され、飼育が始まりました。当時既に成体(少なくとも30才以上)だったため、死亡時80才〜100才だったのでは、と推定されています。

ガラパゴス諸島には、16世紀頃から海賊船、18世紀頃からは捕鯨船が立ち寄り、ゾウガメを数百頭単位で積み込み、船員の食料としていました。は虫類であるゾウガメは、餌や水を与えなくても1年近く生きられたため、長い航海の貴重なタンパク源となったのです。この間、諸島から持ち出されたゾウガメは少なくとも20万頭に及ぶとされています。

くわえて、ジョージの故郷、ピンタ島では、船員が放したヤギが野生化し、ゾウガメの食料となる植物を食べてしまったことも絶滅に拍車をかけました。また比較的平坦な島で、ゾウガメが捕獲されやすかったことも不運でした。

これまで、ピンタ島亜種の完全絶滅を避けるため、ジョージの子孫を残す試みがいくつか行われてきました。1993年からは地理的、形態的に最も近いとされたイサベラ島ウォルフ火山亜種のメスガメ2頭と共に飼育場に入れられ、2008年にはそのメスガメが産卵(その後数回に渡り産卵するも孵化せず)、2011年には、遺伝子解析から最もジョージの亜種に近いとされたエスパニョラ島亜種に相方を交代し、繁殖が試みられてきました。

一方、独自の生態系が壊れてしまったピンタ島では、野生化ヤギの駆除が終わり、植生が回復を始めたため、ゾウガメの再導入が始まりました(「プロジェクト・ピンタ」)。これが成功すれば、ジョージを故郷に戻すことも検討される予定でした。

しかし残念ながら、2012年6月24日、地球上からガラパゴスゾウガメピンタ島亜種は、姿を消してしまいました。
私たちはこれまでジョージから多くのことを学びました。その一生をもって「先生」となってくれたジョージに感謝し、波瀾万丈の人生(亀生?)を考えると、今は安らかに眠って欲しいと願いたいと思います。RIP!

これまでのジョージ関連記事(主なもの)
2008/07/23 【最新ニュース】ロンサム・ジョージの子供
2008/09/12 【最新ニュース】ジョージの相方、3度目の産卵
2008/12/08 【最新ニュース】ロンサム・ジョージの子供、孵化せず

2009/07/22 【最新ニュース】ジョージの卵、再び!
2010/05/14 【最新ニュース】ジョージの故郷へゾウガメ再導入!
2011/01/23 【最新ニュース】ロンサム・ジョージの相方、交代

(JAGA事務局・奥野)


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Posted by ジョージ・フィンチ at 12:12│Comments(0)最新ニュース
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