【最新ニュース】ジョージの故郷へゾウガメ再導入!
2010年05月14日
ガラパゴス諸島のピンタ島ゾウガメ最後の生き残りとして知られる「ロンサム・ジョージ」。
このジョージの故郷ピンタ島に、5月16日、ゾウガメが再導入されることになりました。
(ガラパゴス国立公園からのプレスリリースで発表。写真もプレスリリースより。)。
ジョージがピンタ島で見つかったのは1971年末。1972年に飼育のために、施設のあるサンタクルス島に連れてこられて以来、ピンタ島にはゾウガメは生息していませんでした。
ピンタ島でゾウガメが野生絶滅した理由は、人間が持ち込んだヤギが野生化して繁殖、ゾウガメの食料となる植物を食べたためです。当初持ち込まれた3頭のヤギは、1979年には約40,000頭にもふくれあがり、ゾウガメだけでなく多くの原生植物も失われました。
2003年にヤギの駆除が完了した直後から、島の植生は急速に回復しましたが、本来の生態系の回復には、大型草食動物であるゾウガメの存在は必要不可欠で、植物の種を分散させるためにも重要な役割を果たすことから、ゾウガメの再導入が数年前から検討されていました。
とはいえ、ジョージしかいないピンタ島亜種のゾウガメ。ジョージの子孫を残す努力は長年なされてきましたが、これまで成功していません。
今回再導入が決まったのは、39頭の、これまでサンタクルス島の保護施設で飼育されてきたゾウガメたち。どこの島・火山の出身(亜種)か分からないため自然に戻すことができず、施設で長期間飼育されていました。体重は40キロ〜100キロ、年齢は推定で30才〜70才で、再導入後に交配しないように、昨年11月にアメリカの大学の獣医師らにより不妊処置がとられたということです。
不妊処置後は、隔離して継続的にモニタリングを行い、食事では、種子を食べないよう糞を検査していました(糞によってピンタ島に他の島の種子が移入されないように)。
また、導入直前には、GPSやテレメーターなどの遠隔測定器をゾウガメに装着して、導入後に研究者らがモニタリングできるようにする予定だということです。
導入されるゾウガメは、サンタクルス島からピンタ島まで国立公園の船で移動し、その後、公園管理官らに担がれて、島の高地まで運ばれる予定です。
(※ピンタ島の面積は59平方kmで、日本だと、沖縄の久米島、東京の三宅島と同じくらいの広さです。)
高地には、ゾウガメの住みやすい環境があるとされています。
最後の生き残りとなったジョージ。そしてジョージの故郷ピンタ島。
人間により崩壊寸前だったこの島の生態系が、人間の手により修復されようとしています。
(文/訳:JAGAおくの)
Posted by ジョージ・フィンチ at 00:36│Comments(0)
│最新ニュース