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【最新ニュース】ダーウィンフィンチ、さらに進化?!

2010年02月05日

プリンストン大学のグラント夫妻らにより、「現在進行形」の進化が報
告されているダーウィンフィンチ。今年1月6日に発表された論文で、
新たに侵入した病原体に対する免疫系についても「進化」を遂げている
ことが分かりました。

論文原文
Ecoimmunity in Darwin's Finches: Invasive Parasites Trigger
Acquired Immunity in the Medium Ground Finch
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0008605

これまでフィンチの生息を最も危険にさらす外来種として、鳥ポックス
(鳥痘)ウィルスと、イエバエ科の一種のPhilornis downsiという寄生
性のハエの存在が知られています。両者とも近年移入された外来種です。

前者は、羽の生えていない嘴や足などに感染してイボ状の病変を発生さ
せ、フィンチに様々な症状を引き起こし、後者は、幼虫がフィンチの巣
に住み着き、主に幼鳥の肌を食べ、両者とも最悪フィンチを死に至らし
めます。
(上記論文に感染したフィンチの写真も掲載されています)

今回の研究結果では、大ダフネ島とサンタクルス島(Garrapateroという
場所)のガラパゴスフィンチの上記外来種2種に対する抗体(免疫体)
反応を、特殊な手法を用いて観測・分析したところ、強い反応(の差)
が見られたということです。

これまでに鳥ポックスの流行が確認されたことのあるダフネ島のフィン
チは、一度も流行が確認されていないGarrapateroのフィンチに比べて、
非常に強い抗体反応を示しました。

また寄生バエについては、営巣前と営巣中のフィンチでは、より営巣中
の方が、またオスとメスでは、巣に留まるメスの方が、強い抗体反応を
示したということです。(だからといって、寄生されないというわけで
はありません)

これまで、海洋島に生息する生物は大陸の病原体に晒されたことがない
ため、それらに対し免疫がなく無防備であるとされてきました。ガラパ
ゴスと同じ海洋島ハワイで、鳥マラリアに感染したハワイミツスイの多
くの種が絶滅したことはよく知られています。

今回の研究では、近年諸島に侵入した病原体に対して、フィンチが免疫
機構を活性化させていることが示されました。このような機構がどの程
度、実際の生死に関わってくるのかははっきりと示されていませんが、
研究者らは、諸島の鳥類保全のためにも今後も研究を続けるとしています。

野生生物が、思いもかけない環境の変化に順応する能力は、私たち人間
が考えるよりも高いのかもしれませんね。

※1ヶ月前のニュースですが、「最新」ニュースとして配信しました。。
[JAGA事務局奥野]


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Posted by ジョージ・フィンチ at 15:05│Comments(0)最新ニュース
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